不動産投資において、“新築マンション”と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
「新しくて綺麗で人気」
「中古に比べ、住みたいと思う人が多い」
「安定して入居者がつくから安心」
など、ポジティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
たしかに、物件の綺麗さや賃貸募集においても安心感があることから、新築物件を望むお客様は多くいます。

不動産投資は、現物資産であることや、株やFXなどの投資に比べ堅実で安定的であることから「守りの資産」と言われます。
しかし、投資において新築物件は、安定的な「守りの資産」とはならない可能性が大きいのです。
それはなぜでしょうか?
この記事では、どうして新築マンション投資はリスクがあり危険なのかを解説していきます。
これから不動産投資を始めようと検討している方は、是非一度ご覧ください。
記事の目次
新築マンションの隠れたリスクとは
一般的に、新築物件には大きな魅力があります。
まず、何と言っても綺麗ですよね。
買う人も住む人も、きれいな物件を望む人はとても多くいます。
マンション投資と聞くと、新しい新築物件を購入することをイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、新築マンション投資には隠れたリスクが存在するのです。
大幅に利益がのせられている新築マンション
これは当たり前といえば当たり前の話なのですが、新築マンションは中古マンションに比べて価格が高くなっています。
新築物件は、販売元の不動産会社の利益や広告費、人件費など、中古には存在しない様々な費用が乗せられて販売されています。
ここで、少し想像してみてください。
例えば、外観や間取りなど中の造りも全く同じで、立地も隣同士の新築マンションと中古マンションがあるとします。
同じマンションで、立地もほぼ同じです。
違うことは新築か中古かということのみです。
さて、この2つのマンション、どちらの価格の方が高いと思いますか?

しかし、よく考えてみてください。
造りも同じ、立地もほぼ同じであるため、マンション建設にかかった費用は全く一緒です。
でも、価格は新築の方が高い。
先ほど言ったように、建設費に加えて販売する不動産会社の利益や広告費、人件費がプラスされているため、当たり前の話ですよね。
不動産会社の利益を乗せたとしても、新築を好んで購入する人は多くいるため、商売は成り立つのです。
しかし、これを不動産投資という視点で考えてみるとどうでしょうか。
全く同じマンションであるのに、中古になると価格がガクッと下がるのです。
投資目的で新築マンションを購入した場合、数年後にどうなるかなんとなく想像がつくと思います。
物件価格は、当初乗せられていた不動産会社の利益分の価格が数年のうちに下がっていき、もともと物件が持つ価値=市場価格に落ち着きます。
もう、お分かりですよね。
新築物件は所有している間に価格がどんどん下がっていくのです。
一般的に、購入後3割も価格が下落してしまうとも言われています。
資産の価値が下がるということは、家賃も下がるということになります。
家賃が下がるとローンの返済額にも大きく影響がでて、月々の自己負担金額も増すということになります。
当初は収入の足しにしようと描いた投資計画が、逆に家計を圧迫することとなるのです。

しかし、実際に新築物件を購入して、後悔している方は多くいるのです。
そして、新築マンションの価格は2018年現在、さらに高騰しています。
建設費高騰のきっかけ
建設費高騰のきっかけは東日本大震災でした。
震災の発生により、東北地方では復興作業が急務となったのです。
バブル期以降、需要の低下から建設業界は縮小傾向にありましたが、そんな中復興関連事業に多くの人員や資材が必要となったのです。
拍車をかけるように、2013年の安倍政権の政策により、国土強靭化計画が推進されることとなりました。
これは、国内のインフラ整備を整えることや自然災害、テロ対策に備え、全体的に強靭な国づくりをしようというものです。
そして、2020年には東京オリンピックが控えており、都内近郊では猛スピードで利用施設の改修・建設工事が進んでいます。
これらのことから建設費が上昇し、新築マンションの価格も上昇しているのです。
他にも、新築ワンルームマンションが抱えるリスクは存在します。
新築マンションは空室リスクが高くなる!?

現在、東京都内のワンルームマンションを新たに作ることに対して、様々な規制があることをご存知でしょうか?
23区では区ごとに様々な条例があり、その条例をクリアしないとマンションが作れないのです。
なぜこのような条例があるかというと、理由は東京の単身世帯率の高さにあります。
ワンルームマンション規制とは
東京の人口は約半数が単身世帯となっています。
しかし、単身者は引っ越しが多く、住民として定着しにくい傾向にあります。
そのため、地域活動に参加することも滅多にありません。
また、住民票を移さず、実際に住んでいる自治体には住民税を納めない単身者も多くいるため、自治体にとって単身者というものはあまり嬉しいものではないようです。
自治体としては、このような単身者より、定住しやすいファミリー層を増やす方向に政策を変換しているのです。
具体的に、ワンルームマンション規制とはどのようなものなのでしょうか。
23区内のほとんどの区では、新築マンションを作る際、広さが25㎡以上の部屋しか作ることができません。
中でも渋谷区は28㎡以上の部屋しか作ることができず、豊島区は20~30㎡の部屋には1戸あたり50万円の税金が建築主にかかります。
簡単にいうと、ある一定以上の広めのワンルームしか作ることができないということです。
部屋が広ければ、もちろん家賃設定も高くなります。
家賃設定が高くなればなるほど、空室リスクは増大します。
そのため、新築ワンルームマンションは空室リスクが高くなり、反対に、20㎡程度の中古マンションは希少価値がうまれるため、よりリスクも少なくなるのです。
マンション投資をするなら中古マンションが有利
ワンルームマンション規制ができたことにより、東京都内には今後、広めのワンルームマンションの数がどんどん増えるでしょう。
しかし、部屋の大きさに比例して家賃も上がってしまいます。
そのため、手ごろな価格で家を借りたいという層にとって25㎡未満の部屋の需要はとても高くなるのです。
物件価格についても、中古物件であれば新築に比べ安価で購入できるため、利回りも高くなります。
中古物件であれば、購入後数年で物件価格が大幅に値下がりしてしまう可能性も低く、物件を売却するときの出口戦略に対してもリスク回避ができるのです。
これらのことから、リスクを抑えてマンション投資をするなら中古物件が有利であると言えます。
そして、ここで注意してほしいのは、これは東京都内でのみ成立するルールであるということです。
地方と都内では人口数や賃貸需要も違うため、市場を取り巻く環境は大きく変わります。
最後に
新築マンション投資にも、もちろんメリットはあります。

中古マンション投資の方がメリットが多く、長期的に見て安定した投資であるためです。
業界内では「現在の新築物件の価格高騰は行き過ぎだ」という声も多く、数年後には価格が落ち着くのではないかとも予想されています。
そうなった場合、新築マンション投資にもチャンスはあるかもしれません。
そのためにも、現在の市況はどうであるのか、今後はどうなっていくと予想されているのかなど、情報を持つことがカギとなります。
生きた情報を手に入れるためには、セミナーに通ったり、不動産業者と面談を行ってみてください。
投資を成功に導くためには、いかに情報を集め、リスクを抑えられるかが重要なのです。
あなたの投資が成功することを願っています。
ご覧いただきありがとうございました。